着ている服がなんだか可愛い!
ニューヨークに住む、
郵便局員のハーブと図書館司書のドロシーは45年間の結婚生活のすべてを現代アートの収集に捧げ、彼らの慎ましい1LDKのアパートメントには4000点あまりの現代アートの作品が2匹の猫の通り道の間に、うず高く積み上げられている。そしてその莫大な金額にのぼるすべてのアートコレクションをナショナルギャラリーに寄贈した。
生活費はドロシーの給料で賄い、ハーブの収入をすべてアートの購入に当てていたのだが、二人の価値観が同じでなければこんな偉業はとうてい成し遂げられなかっただろう。45年間の二人の幸せな生活の積み重ねが結果的に偉業になっただけで、そう考えると二人にとって毎日アートギャラリーに通い、新しい才能あるアーティストとの対話を楽しみ、その作品を購入することは平凡な夫婦が見つけた最高に贅沢な時間だったのではないだろうか。
男性には良くありがちなコレクション癖、フィギュア、モデルカー何でもいいが、夫婦で一緒にはまっている例は少ない。大抵が「まったく、また余計な事にお金使って!!」とその事が原因で奥さんと喧嘩が絶えない場合が多いが、ドロシーはハーブを魅力的な人間として尊敬の念を抱いてお互いを支え合い、いつでも、どこでも一緒にいる。手を繋いで、、。でも、彼女はきっとハーブと一緒になっていなければ、普通の生活をしてアートのコレクションする事もなかったのではないだろうか。
二人の類まれなる相性の良さ、そして二人の職業がアートとはまったく関係のない仕事だった事(アート関係の仕事をしていたら、その価値をやはり金銭に置き換えざるをえなかったと思う)また、60年代~80年代にかけてのニューヨーク現代アートのクオリティーの高さ、マーケットがまだ確立していなかったせいで作品の価格が手頃だった事。ハーブの類まれなる審美眼、ドロシーの社交性、素直な性質、そのすべてが重なり二人はこんなにも多くの作品を所有出来たのだ。
ハーブの人生で類まれなる審美眼を発揮し手に入れた最高のものとはダンスホールに座っていたドロシーを見初めた事だろう、、、。本当の贅沢とは自分の中にあり、他人の価値観から導き出される物では無い事を二人から教えてもらった様な気がする。